SONY MDR-7506・CD900STのイヤーパッドを作る #2

パーツを設計して使う材料を選ぶ

本格的にSONY MDR-7506,CD900STのイヤーパッドを作るにあたって、まずはパーツの設計をしていきます。
私はパーツの設計にCADは使わずAffinity Designerを使っています。
以前はillustratorを使っていましたが2年ほど前に乗り換えました。
4つのパーツを設計していきますが、使う素材によって大きさも微妙に変わります。
紙に出力後、型紙を元に実際に作ってみてその都度変更していきます。
現在決まっている素材は
・パッドが耳にあたる部分はディアスキン、裏側はピッグスキンを使う。
これから決める部分は
・パッド内部のスポンジ部分の素材
・ユニットとパッドの間にある薄いネット生地
・ヘッドフォンのハウジングにはまる部分の革素材。

スポンジ部分はサードパーティ製のパーツを分解した際に確認したら割と高反発のスポンジ素材が使われていました。
よりソフトな耳当たりを出すためにウレタン・スポンジ・綿の組み合わせを試しました。
パーツのサンプルを作ったんですが、なんとも不格好なのでとりあえず既存のスポンジを流用することにしました。

他にも数種類手持ちのスポンジ、衝撃吸収素材など試しましたが、あまりピンときません。
既存のスポンジで1セット分作って実際聞いてみたら最初に鹿革で作った時と音が違います。
なんか音がスカスカなんです。
最初に作ったときは型紙が適当だったのでスポンジが一回り小さく圧縮された感じだったですが、きちんと型紙を設計したらスポンジが部分が適正に配置された分、内部の密度が減ったためと考えました。


ウレタン系の部材がないのでサンプルを取り寄せ
様々な素材の組み合わせを試した結果、高弾性特殊ウレタン5mmをベースに低反発ウレタン10mmを組み合わせることにしました。
これにより沈み込むだけではなく、弾性のコシを生み出すことを狙っています。

ネット生地を探す。

ヘッドフォンのユニットとイヤーパッドの間にはユニットを保護するネット上の生地が使われています。
ここも素材を色々調べて試してみました。
ナイロントリコット素材を中心に厚みとストレッチ性を確認し、

保護性能・ストレッチ性能・透け感等で最適と思われる素材を選びます。

ハウジングに接続する革素材に悩む。

ヘッドフォンのハウジングに接続する部分はイヤーパッドを装着する際、MDR-7506・CD900ST本体の溝に差し込む必要があります。
溝の深さは5mmですが引っ張り気味にはめ込まなくてはいけないので多少伸び縮みするする必要があります。
コンビネーションなめし革で試しましたが、フィット感を重視すると装着が大変で一般的ではありませんでした。
ある程度装着しやすくないと商品全体の満足度も下がります。
このため、クローム鞣しのデュプイ・トゴで試したら非常に良い結果となりました。
トゴはエルメス社のバーキン等でも採用されているシュリンク加工の牛革で質感も高い素材です。

ついに思い通りの形に。

何度もパーツテストを繰り返しながら寸法を詰めていきます。
そして、外周の革をデュプイのトゴに変えたら程よく伸びてヘッドフォンのハウジングへのはめ込みも上手くいくようになりました。
この形で抜型のパーツを2つ発注しました。
抜型が出来たら最終サンプルに取り掛かります。

SONY MDR-7506 MDR-CD900ST 本革でイヤーパッドを作る
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